世界有数の“鉄道大国”と言われるインド。
網の目のようにインド全土に張り巡らされた鉄道網は総延長64,000㎞以上。と言ってもそれがどのくらいすごいのかはわかりませんが、13億人を超えるインド国民にとって鉄道は日常の移動を支える“足”です。
そしてそれと同じように、私たち外国人旅行者にとってもインド国内の1番メジャーな移動手段は列車です。インド旅と列車は切っても切れない関係、つまり、“インドの列車を乗りこなせるかどうかがインド旅を効率よく快適に進めるための大きなのポイント”になるのです。
今回は“インドの列車のアレコレ” 第2弾!!全部読めばあなたもきっとインドの列車を使いこなせるはず(≧∀≦)
インドの列車のチケットを買う方法は、
①駅の窓口で買う
②旅行会社や宿泊ホテルで買う
③オンラインで買う
全部で3つです。
今回はその中の現地の駅窓口で自分でチケットを買う方法、旅行会社や宿泊ホテルで買う方法について書きたいと思います。本当は③のオンライン購入についてもとっても書きたいのですが、少々複雑でもう少し確認が必要なのでそれが済んだらきちんと記事にしたいと思います。しばしお待ちくださいね!
目次
駅の窓口でチケットを買う
外国人専用のチケット窓口へ
インドの主要駅には外国人専用のチケット窓口があります。外国人の私たちはそこへ行って欲しい列車のチケットを購入するのが1番シンプルです。「ツーリストチケットオフィス」と聞けば教えてもらえるはずです。(嘘つきインド人に気をつけてくださいね!特にニューデリー駅!オフィスは休みなどと言われても無視をして別の人に聞くこと!)
ここではニューデリー駅の外国人専用チケットオフィスでのチケットの購入方法について書きます。手順はだいたいどの駅も同じなので参考にしていただけるかと思います。
デリーはニューデリー駅構内2Fに外国人専用チケット窓口“INTERNATIONAL TOURIST BUREAU”があります。ここへたどり着くのを阻止してぼったくり旅行会社に案内したい詐欺師たちは、オフィスとは違った場所に案内しようとしたり、オフィスが休みだと言ったり、希望のチケットはもう売り切れだと言ったりするので、その類のことを言われたら無視をして駅の職員にオフィスの場所を聞きましょう。
申し込み用紙を記入する
まずは申し込み用紙をゲットしましょう。
書式は駅によって若干違いますが、申し込み用紙を記入するのはどこも同じです。
必要項目を書き込みましょう。
デリーの用紙は裏表両面印刷されていますが、片面はヒンディー語で書かれているだけなので、英語で書かれた面に記入しましょう。
用紙の記入例です。
・日付の記入は日/月/年の順で書いてください。
・同じ日、同じ区間、同じ座席クラスであれば1枚の用紙で最大6名分のチケットが購入できます。
・同じく上記に記載した人と全く同じメンバー、同じ日、同じ区間、同じ座席クラスであればもう1区間のチケットを同じ用紙で購入できます。用紙中段より少し下”ONWARD/RETURN JOURNEY RESERVATION”と書かれたところに記入します。
・同じ日に同じ列車に乗るとしても座席クラスが違う場合はそれぞれに申し込み用紙が必要となります。
※列車の運行スケジュールや列車番号を調べる際は便利なアプリを利用しましょう!
※列車の座席クラスやシートに関しては以下の記事にまとめていますのでご参考ください。
※この記事にも書きましたが、希望のチケットが買えない場合に備えて第3希望ぐらいまで決めておくと窓口でスムーズに購入できるかと思います!
記入が終わったら番号札を取りましょう。オフィスが混んでいたら記入する前に番号札だけ取っておくのもありだと思います。1番上のReservationを押しましょう。番号札がない駅のオフィスでは、申し込み用紙の記入を終えて列に並びましょう。
自分の番号が表示されたらいざ!窓口へ行きましょう!
窓口で必要な基本知識
自分の番がやってきてすんなりと希望の列車チケットが購入できたら最高ですが、チケットの売り切れなどですんなりと購入できない場合があります。その際に窓口で言われる可能性があるインドの列車用語について解説をします。
WL(Waiting List)
インドの列車はたとえ満席でキャンセル待ちの状態でもチケットの予約購入ができます。お金を先に支払ってキャンセル待ちをするということです。
列車はキャンセル料が安いのでとりあえず予約を入れている人が多く、すぐに残席が埋まってしまいますが、直前のキャンセル料が高くなる前まで に予約を取り消す人が多いことからこういうシステムがあるのだそうです。
キャンセル待ちの状態でチケットを購入した場合は、座席番号は割り当てられず、ウェイティングリスト(WL=Waiting List)に入ります。
(例)WL15…この15という数字がキャンセル待ちの順番です。キャンセル待ちが15番目ということです。すでにチケットを購入している人からキャンセルが出る度にWL14→WL13→と番号が減っていき、もしも自分の待っている番号以上にキャンセルが出たら無事座席ゲットとなります。
私は基本的にはWL(ウェイテングリスト)の購入はオススメしません。WLの数字が小さければ小さいほどば乗れる可能性は高いかもしれませんが、100%確実に乗れるという保証はありません。もしも「WLでもチケットを買うか?」と問われた時は、別のチケットを検索してもらった方がいいと思います。移動の予定が立たないので、短期旅行の際などは特に避けた方がいいかと思います。
RAC(Reservation Against Cancellation)
これは簡単に説明すると、RACは列車に乗れることは確定しているけど、通常チケットを購入した際に確定する座席番号がその時は割り当てられない、座席が確定していない状態のことを言います。
WL(ウェイテングリスト)はキャンセルが繰り上がらずWLのステータスのままならば列車に乗れないのに対して、RACは座席番号が確定していないだけで、列車には確実に乗ることができるのです。つまりRACのステータスは予約・座席番号が確定しているCNF以下、列車に乗れることが確定していないWL以上のステータスということになります。
①CNF(Comfirmed)…予約確定、座席番号確定
②RAC(Reservation Against Cancellation)…ほぼ予約確定、座席番号未確定
③WL(Waiting List)…予約未確定、座席番号未確定
ですので、RACとWLのステータスの優先関係はこのようになります。
(例)WL3の状態でチケットを購入し、その列車のRACの設定枠が3だった場合、キャンセルが出た時は次のようにステータスが上がっていきます。
【WL3→WL2→WL1→RAC3→RAC2→RAC1→Comfirmed(座席確定)】
つまりWL3とRAC3を比較するとRAC3の方がよりComfirmedに近いステータスで、RACのすべての人たちに座席振り分けられた後やっとWLの人の番がやってくるということです。
RACの設定枠はおそらく列車により異なります。
RACもWL同様、”RAC15″など数字が振られ、その数字がRACのステータスにいる人数になります。この数字もキャンセルが出るとRAC14→RAC13→RAC12、、、と数字が減っていって、自分が待っている以上のキャンセルが出るとCNF(Comfirmed)のステータスになり、無事座席番号が確定することになります。
私はWLではチケットを購入しませんが、RACならば絶対に購入します。座席番号が確定していないだけでその列車には確実に乗れるからです。
先ほどインドの列車はキャンセル料が安いと言いましたが、キャンセルするタイミングでキャンセル料が変動します。その直前のタイミングで一気にキャンセルが出るので、その時に自分のステータスが上がることが多いです。
【インドの列車のキャンセル料】
インドの列車のキャンセル料はどうやらこのようになっているようです。私も数回キャンセルしたことがありますが、キャンセル料を調べてみると若干金額のズレはあるもののだいたい以下のようになっていました。
①出発48時間前…座席クラスによって設定料金が異なる。
・1A、EC:240Rs
・2A:200Rs
・3A、CC:180Rs
・SL:120Rs
・2S:60Rs
②出発48〜12時間前…運賃の25%or上記金額のどちらか高い方
③12〜4時間前…運賃の50%or上記金額のどちらか高い方
④出発4時間以内…返金不可
このように、キャンセルする意志のある人は最低でもキャンセル可能な4時間前にはキャンセルをするということです。インドの列車ではその出発4時間前の最終キャンセル後、列車が発車する2〜4時間前に”座席チャート”を作成する作業が行われます。これは特別枠の未使用分とRAC/WLのリスト数を合せて、空いている席に誰を割り当てるか最終決定をするものです。RACの場合だいたいこのチャート作成後に座席が確定します。自分のステータスや座席番号はインドの列車アプリで簡単に確認することができます。
▼列車アプリ活用編はこちらから!
私はRACでチケットを購入して、出発前の”座席チャート”確定した段階でステータスがCNF(Comfirmed)にならなかったことは1度もないです。最高でRAC15か20ぐらいだったと思います。
でももしも出発時にステータスがRACのままでも心配いりません!
先ほども書いた通りRACは座席番号が確定していないだけで列車に乗ることはできるのです!
ステータスがRACのままで列車に乗ると最初はRAC用に用意された臨時の席(寝台席をシェア)に座り、車掌さんが空席を見つけてきてくれるとそこに座ることができます。キャンセルをせずに当日急に来ない人がいたり、都合上元々残してある席もあるようなのでRACの状態ならかなりの確率で席を確保できるようです。
まとめると!!
RACは座席番号が直前もしくは列車が発車して車掌さんが空席を探してくれるまで確定しませんが、列車には確実に乗れますので、ほぼ予約が確定していると考え購入しても問題ないと思います!
TATKAL(タトカル)
Tatkalとは一定数の座席を販売せずに確保しておき、前日に売りに出す直前予約用のチケットのことです。
窓口で買いたかった列車のチケットがWL(キャンセル待ち)になっていたとしたら、もしかしたら窓口の担当者から、
「Tatkalで買ったら?」と言われるかもしれません。
その意味は、現在販売中の座席はもう空席がないけど、前日に売り出される座席枠があるからもしかしたら買える可能性があるかもよ!ということです。
【Tatkalの販売開始のタイミング】
発売開始時間は、乗車クラスによって異なります。
●AC(エアコンあり)…午前10時より
●Non AC(エアコンなし)…午前11時より
【Tatkalチケットを購入する際の注意点】
●窓口でもオンライン購入でも、Tatkalのチケットが発売されるタイミングにチケットを買える状態にいなければいけません。
●Tatkalチケットは通常のチケットよりも高い運賃で販売されます。座席クラス別に上乗せされる割合が決まっていますが、ざっくり300〜500Rsぐらい加算されると思っていてください。
●TatkalにもWL(キャンセル待ち)がありますが、ステータスはRACより上、つまりキャンセルが出るとRACの人よりも先にTatkalのWLの人から順に繰り上げになっていくようです。
旅行会社や宿泊ホテルで買う
列車のチケットは旅行会社や宿泊ホテル(そのホテルが対応していれば)で手配をすることも可能です。その際には当然チケット手配手数料がかかりますが、時間的な都合や煩わしさを回避するのに見合った金額を手数料として支払うという考えであれば利用してもいいのかなと思います。
ちなみに、インドにおけるチケット手配手数料の相場ですが、
●通常チケット:100〜200Rs/枚
●特別チケット:200〜300Rs/枚
このぐらいかと思います。特別チケットとは先ほど説明したTatkalや急ぎで手配をするなどの場合です。
外国人専用窓口がある駅まで遠く交通費が手数料以上かかるのなら近くの旅行会社にお願いした方がお財布的にも時間的にもお得ということになります。
また、旅行会社は特別なネットワークを持っていて、私たちが窓口で買えなかったチケットもどうにかして入手してくれる可能性があります。きっと裏で何かしらのコネがあるのだと思います。ですので、どうしても欲しいチケットがあってそれが買えなかった場合旅行会社に掛け合ってみるというのもひとつの手だと思います。
【旅行会社やホテルでチケットを手配する際の注意点】
●旅行会社にぼったくられる可能性もあるので手配をお願いする前に必ず手数料を確認しましょう。
●WLではなく必ずCNF(Comfirmed)もしくはRACのチケットを購入しましょう。
●ホテルにツアーデスクがある場合、もしくはホテルでチケット手配をしてもらえる場合は旅行会社よりもホテルでお願いをしましょう。あくまでも私の考えですが、その辺にある旅行会社よりもホテルの方が信用できると思います。
チケットを確認する
もらったチケットは必ずその場で確認しましょう!うっかりさんな担当者が間違えている可能性もありますからね!
【チケットの確認項目】
①列車番号
②出発日
③座席クラス
④出発地
⑤到着地
⑥車両、座席番号、座席位置、性別&年齢
⑦合計運賃
⑧列車の名前
⑨出発日時、到着日時
だいだいこれぐらい確認しておけば問題ないです。主要駅が複数ある町のチケットは発着駅を必ず確認しておいた方がいいです。
代理店やホテルでチケットを購入した場合はこのようなチケットを渡されるかもしれませんが、確認項目は同じです。
①列車番号/列車の名前
②出発日
③座席クラス
④出発地
⑤到着地
⑥出発時間
⑦到着時間
⑧合計運賃
※この私のチケットはRAC15ですが通常はその場所に車両番号、座席番号が記載されます。
いかがでしたでしょうか?
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